「うちの会社は、ずっと変わらないんですよ。変えたいんです」
基幹システム刷新の相談では、よくこの言葉を聞きます。
でも最近、あらためて思いました。人は、変わることを嫌います。そして「変えたい」と言う人ほど、実は変わりたくないのかもしれません。
出荷業務のヒアリングで
ある会社の、基幹システム刷新の企画構想の打合せでした。
出荷業務を詳しく伺いました。システムの今の姿はつかめましたし、新しいシステムでどうなるかの未来図も、私の頭の中には描けていました。
話を聞きながら、先日の物流展で出会ったソリューションを思い出しました。積載効率が上がり、出荷業務も楽になるものです。
ヒアリングの間、担当の方はいろいろなことで悩んでいる様子でした。この話はきっと役に立つ。そう思って紹介しました。
顔色が、まったくよくない
顔色がよくありません。まったく、よくありません。
「いま出荷業務を変えると、いろいろ大変ですし……。たぶん、それはダメだと思います」
心の中では、こう思っていました。
今のやり方ではダメだ、変えたい、とおっしゃっていたのではなかったか。ほんの少し業務を変えるだけで、成果を上げられるものなのに、取り組もうとしない。
新しい基幹システムが入れば、こんな変化とは比べものにならないくらい、仕事のやり方が変わります。
厳しいな……。正直、そう思いました。
「変えたい」と「変わりたくない」は、同じ人の中にある
こういう場面は、基幹システム刷新の企画構想では珍しくありません。
「変えたい」と言うのは本心だと思います。ただ同じ人の中に、「変わりたくない」「変えたくない」という気持ちもあります。
やり方が変われば、今の自分の役割はどうなるのか。私の居場所がなくなるのではないか。口には出さなくても、そう感じているのかもしれません。
今の業務を回してきたのは、その人自身です。変わることへの抵抗は、怠けているからではなく、それだけ今の仕事を背負ってきたからだと思います。
それでも、今は変わらなければいけない時代
一方で、時代は待ってくれません。
これほどAIが台頭し、ここまで大きく変わる時代は、過去何年を振り返ってもITの世界にはなかったと思います。
この時代に頑張らないと、変わらないと、日本は本当に沈没してしまう。私は本気でそう思っています。
その間をつなぐのが、私の仕事
変わりたくない気持ちと、変わらなければいけない時代。
その間をつなぐこと。現場の人の隣で伴走しながら、DXを進めること。
それが自分の仕事だと、あらためて思った瞬間でした。
システム刷新を任されて、現場の反応に戸惑っている方もいると思います。「変えたい」と言っていた人が動かないのは、よくあることです。その人の中にある「変わりたくない」に気づくところから、始めてみてください。
同じ場面に立っている方の、手がかりになればうれしいです。